発掘調査で取り上げられた土器どきなどは、泥をとすためにブラシを使って水洗いします。 力を入れすぎると表面の文様もんよう顔料がんりょうが落ちることもあるので、注意が必要です。

 洗って乾かした遺物いぶつに、遺跡名いせきめい を表すコード番号や見つかった遺構名いこうめいなどの情報じょうほうをマシーンで記入します。 (図1)

見つかった破片はへんを時代や時期じき器種きしゅ部位ぶいごとに分け、同じものを探してつなげます。 やはり、破片はへんが小さいほどむずかしいです。

接合せつごうが終わっても、破片はへんが見つからないで穴があいたままの部分に 合成樹脂ごうせいじゅしめて本来の形に復元します。 (図2)

 土器の表面の文様や底に残された敷物しきものあとなどを、 画仙紙がせんしを張った上からすみをのせて写し取ります。 (図3)

 復元した土器は、側面そくめんから見た形、厚さ、文様などを正確に計測して図面にします。 同時に、素材の粘土に含まれているもの、文様を付けた道具、 成形せいけいや器面の調整ちょうせいのしかたなどの情報も観察して書き込みます。

 実測が終わると、土器の文様や形がよくわかるように、土器の向きや光の当て方を調整します。

 発掘調査で記録した図面ずめん遺物いぶつの実測図を 必要な縮尺しゅくしゃくにした後、 トレーシングペーパーをかけてインクペンでなぞります。その際、見やすさを考えて線の太さを変えます。パソコンの画面上で行うデジタルトレースでは、 縮尺や線の太さを簡単かんたんに変えることができるという利点があります。 (作業の様子)

 インクペンでなぞってできた実測図や拓本を台紙だいしに貼って、印刷に出す準備じゅんびをします。 見る人が見やすいように配置はいちを考えなければなりません。 パソコンで作成さくせいした図面や写真は、 そのままパソコンでページ)に合わせてレイアウトして、本の体裁ていさい編集へんしゅうすることができます。 (レイアウト図)

 発掘調査と整理作業を通して得られた情報を文章にまとめます。 その遺跡の性格せいかく地域的ちいきてき位置いちづけなど、調査員の考えを加えて報告書にまとめあげられます。