最近では、コンピューターを使った実測じっそくも行われています。 たとえば、「ビジョンドラフティングシステム」という機器ききがあります。 カメラでモニター画面に投影とうえいされた土器を、 画面のポインターと連動れんどうするペンでなぞることで、 形や文様もんよう器面きめんの調整をくことができます。
 しかし、深く施された文様や粘土ねんどり付けた文様の起伏きふく、 細かい調整の痕跡こんせきなどの表現は、人間が修正しゅうせい補足ほそくして実測図を仕上げます。

▲修正・補足前
ビジョンドラフティングシステムによる立面実測りつめんじっそく
ビジョンドラフティングシステムによる平面実測へいめんじっそく
▲修正・補足後
 このほか、デジタルカメラで撮影さつえいした遺物いぶつ画像がぞうをパソコンで縮尺しゅくしゃくやコントラストを 調整した上で紙に出力しゅつりょくし、その紙の上にトレーシングペーパーをかけてなぞり、 修正・補足して実測する方法もあります。
 このようにデジタルカメラと画像編集がぞうへんしゅうソフトの進化とともに、 実測方法も進化しんかしています。

▲合成前の画像

▲合成前の画像



いんば君:  発掘調査はっくつちょうさが終わった後の遺跡いせきはどうなるの?
ムササビ博士:  悲しい話じゃが、開発かいはつで多くの遺跡が 消滅しょうめつしてしまうのが現状げんじょうなのじゃよ。 私たちは、開発かいはつがなければ生活していくことはできないのじゃな。
いんば君:  それじゃ、発掘調査が終わると遺跡はなくなっちゃうんだね。
ムササビ博士:  遺跡はなくなってしまうけれど、 『発掘調査報告書はっくつちょうさほうこうしょ』として残るのじゃよ。 そのほかに、遺跡発表会いせきはっぴょうかい展示会てんじかい博物館はくぶつかんなどで出会うこともできるのじゃよ。
いんば君:  遺跡はなくなっても、『発掘調査報告書』として 永久えいきゅうに残るんだね。
ムササビ博士: そのとおりだよ。発掘調査することによって、歴史れきしえるような発見を掘り起こし、 またみんなが住んでいる地区ちく地域史ちいきしの解明に役立っているのじゃな。 過去の歴史を掘り起こすということは、つまり未来への道筋を明らかにするということなのじゃよ。
いんば君:  とっても重要な仕事をしているんだね。
ムササビ博士:  遺跡を発掘するということは、例えていうなら、地中に眠っているたね(遺跡)に、 水や肥料ひりょう(調査)を与え、手入れ(努力どりょく)した分だけきれいな花が咲く (歴史れきしたしかめ、 新しい事実じじつ発見はっけんする)ようなものかな。 地中に眠っている花をきれいに咲かせるには、発掘調査や整理作業にかかわる人たちみんなの熱意ねついにかかっているのじゃよ。 最後に、いんば君!遺跡を大切に思う心を忘れないでな!
いんば君:  うん、忘れないよ。色々ありがとう、ムササビ博士!


                                   

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